攻略会社はどのような手口でファンから金を引っ張るのか。関西地区の業界事情通Ｖ氏が、とある攻略会社の資料を提供してくれた。
「まず広告とダイレクトメールでファンの気を惹きます。広告には、<一万円で使い放題、今回先着50名様限定で参加費用一万円のみで実施します>と大々的にうたっている。また、<参加者は、参加期間を5日と限定し、当社情報<キズネタ情報1機種50万円相当>で思う存分稼いで頂く。５日後、参加者の判断で当社情報の精度や情報の品質を確認した上で、当社正規登録(登録料金15万7500円)をし、今後のお取引をお約束する。>とある。ファンはこれを読み、初期投資1万円で済むならと気軽に申し込む。同じ時期のダイレクトメールは<キズネタ緊急入荷、北斗の拳に全台共通の欠陥発生、秒速攻略！開始一分で怒涛のラッシュ、全国どこのホールでも大連チャンです>と煽っています」
ＤＭの場合、「サービス利用規約」と「入会登録申込書」も同封する。この規約の第５項、第６項がくせもので、後にこれが、ファンの口を封じることになる。
以下、抜粋する。
<⑤情報料金(50万円)は登録者完全無料とし、また登録者は免除申請後、登録者の意志により、その攻略法を無償で譲り受けすることができる。但し規約違反及び非同意者はこれに該当しない。⑥(略)非同意者、その他当社が禁止事項と判断した者については即刻、サービス規約違反とし、強制退会及び、ペナルティー料として情報料金の２倍の料金を課し(後略)>
つまりいったん試し打ちに参加を申し込んだ以上、入会に不同意なら料金の倍を取られる仕掛けだが、ファンはこれに気が付かない。
「もちろん、インチキ手順ですから、大当たりなど来ません。手順書にはアンケートが同封されていてる。攻略手順は分かりやすかったか、攻略法の効果はどうか、正規会員への登録を希望するかなどとあるけど、この時点では100人中、99人が入会しないでしょう」
仕掛けは続く。会員への登録を希望しないと、今度は「正規登録・情報料精算の最終確認」が来る。
<今回御参加頂いた「無償試し打ち」期間が終了となりましたが、一向にご連絡がありません。また、無償試し打ちサービス規約文書４項(正規登録)に記載されている正規登録料金が未納となったまま保留状態となり、このままでは規約違反者(正規登録拒否)に該当し、５項による情報料金免除が出来ません>と、期日までに税込み52万円5000円の振込みを求めてくる。もし振込みがない場合はペナルティ料金(2倍額、つまり100万円)を52万5000円に加算し、また自宅や勤務先へ訪問する事態にもなりかねないと脅す。あげく正規登録料(15万円)を送金の場合は、情報料金は完全無料にするとうたっている。
「つまり52万円5000円を払わないためには15万円が必要ということで、これで多くの人が15万円払ってしまうのです」
『パチンコ30兆円の闇 溝口 敦著 小学館』から引用
どうだろうか？最初は無料で客を誘っておき、巧みな規約を織り込んでワナに嵌め、最後は脅しを使い、問題のすり替えで52万5000円と15万円という二者選択に持ち込んで、結果的になんの商品も提供せず、まるまる利益である15万円を客からボッタくるという手口は、詐欺の芸術と言っても過言ではないだろう。客の心理を知り尽くした、２段、３段構えの詐欺である。
サクラ・打ち子募集という広告も、明白な詐欺であるので注意していただきたい。サクラや打ち子は特殊なルートで派遣されるので、決して一般客から募集されることはない。また、そんなおいしいバイトが本当にあるのなら、他人に教えず自分でやるのが人情だろう。興味のある人は、よくよく頭を冷やして冷静に対処して欲しいものだ。
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